モルモットの骨折

お医者さん

骨折はどんな病気(怪我)?

モルモットの骨折は人間の骨折と全く同じで骨が折れてしまった状態の事です。
単純骨折(骨が露出していない状態)・複雑骨折(骨が露出した状態)など骨折と言っても細かく分類すると色々あるみたいですが、ココでは面倒なので骨が折れた状態は、全てまとめて骨折としています。
症状にもよりますが感染症などのリスクが高い場合は、骨折した足を切断する事が最良の治療になる可能性もあるので出来る限りの対策をしてあげて下さい。
元々体系の割に華奢な骨をしているのに加えて、飼育下にある個体は基本的に体重がお盛んになっている事が多いので人間からすると少しの段差・小さな衝撃でも骨折してしまう子が多いです。

骨折の症状は?

骨折の時に出てくる症状は様々な物があります。
下にまとめた症状以外にも骨折の症状はあるかと思いますが、大体の子は下の症状が出てくると思います。
気になるような事があれば早め早めの動物病院での診察をお勧めします。
病院に行って「何も異常が無い」と診断されてもがっかりしないで下さい健康が一番大事なんですから!
※下に書いてある事が全く当てはまらない子ももしかしたらいるかもしれませんので病院での定期的な健康診断を受ける事をお勧めします。

  • ピッ・!プッ!などの声をあげる
    どこかに挟んだりしてしまった時に痛くて声をあげます。
    普段鳴かない所で鳴いた場合など、心配なことがあったら定期健診も兼ねて病院で診て貰いましょう。
  • ビッコを引いて歩く
    重度の場合怪我を隠し切れなくて普段とは違う歩き方をします。
    モルちゃんが怪我を隠し切れないのは、結構重症である率が高いので早めに病院で診て貰う事をお勧めします。
  • 歩き方がおかしい
    ビッコを引くまでは行かなくても、体重が片側に寄っているように歩く場合があります。
    真上から歩いているモルちゃんを見ると普段との違いが解りやすいです。
  • 骨が見えている
    一目見ればわかります。重症です。
    緊急でも何でも良いので怪我を見つけ次第、病院へ電話して受け入れてもらえるところを探して処置を受けて下さい。
  • 動かない
    骨折をした箇所が痛く最低限の行動(ご飯を食べる・水を飲む)しかしません。
    意地でも部屋んぽを強行する子もいますが、いつもと比べるとほんの少し出ただけで帰ってしまう場合が多いです。
  • 食欲がなくなる
    全ての病気・怪我に共通して言える事ですがあまり物を食べなくなります。
    骨折の場合はご飯の場所まで行くのが億劫になっている・骨折の痛みによるストレスなどにより、あまり物を食べなくなります。
    基本脳みその9割は、食べ物の事を考えているモルちゃんが食べなくなるのは異常事態です。
    食欲が無い場合は、他に異常が無くとも一度病院で診て貰う事をお勧めします。
  • 症状無し
    我慢強いモルちゃんは、怪我をしたことを気合と根性で隠し通す事もあります。
    なるべく症状を隠そうとする子が多いので少しでもいつもと違う所があって心配ならば病院で診て貰いましょう。
    プッ!・ピッ!など普段鳴かない場所で鳴いたりした場合は、その場所をよく観察して怪我をしそうな場所が無いかチェックして念のため病院で診て貰う事をお勧めします。

骨折の治療方法は?

一般的には、まず動物病院について症状を伝えるとレントゲンを撮影して骨折していれば適切な方法で固定する、という人間と変わりない治療を受けます。

骨折した箇所を固定する方法は、添え木を当てて固定する場合・ピンを埋め込んで固定するパターンが多いです。
骨の折れ方や治療の経過によっては、足の切断が最良の選択肢になる事もあります。
自宅で自然治癒すると紹介しているサイトや動画を見る事がありますが、基本怪我をしたら獣医さんに診てもらって下さい。
仮に運よく折れた骨が繋がったとしても綺麗な状態でくっつくなんてことは奇跡に近いです。
治療中は麻酔か鎮静剤を使用して大人しくしてから骨を固定します。
とにかく添え木やピンが気になり齧ってしまいそうなやんちゃ坊主は、あらかじめその事を獣医さんに伝えてカラーを付けて貰う事をお勧めします。

治療後は数日~数週間後に経過を見て添え木orピンを外して様子見になるかと思います。
激しい運動(広い範囲の部屋んぽ等)は、獣医さんのOKが出るまで控えるようにして下さい。
消炎剤や抗生物質を貰うと思うので獣医さんの指示通りにあげるようにして下さい。

病院によって治療費には差がありますが治療費は大体3万円~5万円程になってくるかと思います。
入院の有無・骨折の種類・骨折箇所・手術の必要があるかどうかで金額は大きく変わってきます。

病院から帰って来てのケア

体重を計れるようならば計測してしっかりと食べれているかの確認をして下さい。
ウンチ・オシッコをちゃんとしているかどうか健康なウンチ・オシッコかを確認してあげて下さい

  • 骨が折れているので基本的に安静にしている事がベストです。
    人間と同じで骨が折れているにも関わらず動き回れば治りは遅く綺麗にくっつかなくなる可能性もあります。
    少しストレスを感じてしまうかも知れませんが骨がくっ付くまで我慢してもらって下さい。
  • 餌バチや水の位置をなるべく移動せずに済むようにしてあげる。
  • 好きな野菜の匂い・袋を開ける音etc...何かしらに反応してジタバタする子には、なるべくジタバタして欲しくないのでジタバタの切っ掛けをなるべく無くすようにしてあげて下さい。
    余計な運動をさせて治療中の箇所に負担を掛けさせないようにしてあげましょう。
  • 治療箇所を確認できるタイミングがあれば見て、添え木やピンにいたずらをしていないかチェックしてあげて下さい。
    モルちゃん達からすると治療なんて知ったこっちゃ無いので、とにかく邪魔で邪魔で仕方が無いようなので固定箇所を齧ったりする事は結構あります。
    もし治療中の場所に異常があれば獣医さんに相談する事をお勧めします。
  • 骨が繋がって固定が外れてもいきなり激しい運動をさせないように注意して、徐々に運動量を増やしていくのがおススメです。
    固定していた側の足の筋肉が衰えている事が多く、治療後すぐの激しめの運動は怪我の元になります。
    治療が終わったのに歩き方がぎこちない場合もあるかもしれませんが、治療していた足の筋肉が回復する・歩く動作の感覚を思い出せば普通の歩き方に戻ってくれます。
    上手く歩けずに心配な場合は一度獣医さんに相談してみて下さい。

骨折の原因は?

骨折の原因の多くは外から力が加わり折れてしまう事が圧倒的に多いです。
骨の形成不全や栄養失調などで骨自体に問題がある場合もありますがこれが原因で骨折をする子は少数派だと思われます。

骨折の原因でよくあるのが「抱っこをしていたら落としてしまった」「床材がスノコなどで足を引っ掛けてしまった」の2種類です。
両方とも防げる事ですので慣れてきたからと油断せずに、抱っこの方法や床材の選び方などは、間違えると常に骨折の危険があると意識して下さい。
他にも「踏んでしまった」「扉に挟まってしまった」「上から物を落としてしまった」「栄養失調」など原因はありますが、いずれも飼い主が注意していれば防げる事が大半です。
慣れてきた子だと飼い主の周りをウロチョロウロチョロしている子も多いのでモルちゃんを部屋んぽに出していて飼い主が動く必要がある時は、常にモルちゃんがどこにいるか確認してから動き出すようにして下さい。

因みにモルモットの骨折箇所で一番多い場所は脛骨/腓骨で次いで大腿骨・尺骨・橈骨・腰椎と続いていきます。
まぁ要は足の骨が折れる事が圧倒的に多いから気を付けようってことです。

骨折をしない為の対策

  • 床材を脚や爪が引っ掛からない物にする。
    床材に脚や爪が引っ掛かってビックリして暴れて骨が折れてしまう(怪我をしてしまう)事があります。
    特にウサギ用のケージを使用している場合は、最初から付いているスノコは使わずに別の床材を用意する必要があります。
  • 普段の動きをよく観察する。
    普段の動き方(歩き方・走り方・座り方)を知っていれば異常がある時に発見しやすくなります。
    逆に普通の動き方を知らない場合明らかに異常な歩き方をしていても発見が遅くなってしまう可能性があります。
  • 抱っこの時に脚を触ってチェックする。
    抱っこしてナデナデしている時に脚の方も少し触るようにして異常が無いか確認してあげて下さい。
    極端に嫌がる・大きな声を出して痛がる場合は、一度獣医さんで診て貰った方がいいかもしれません。
    一見すると普通に歩いているように見えても「実は怪我をしていた」何て事がモルモットは結構あります。
    なるべく弱い所を隠す生き物なので飼い主が気づくのが難しい事もありますが出来る限り気づけるようにしてあげましょう。
  • 抱っこをしていてモルモットを落としてしまう場合の多くは子供が抱っこしている時です。
    主な飼い主がお子さんという場合もあると思いますが、任せっきりにせず「抱っこをしている時」「お世話をしている時」などモルモットと触れ合う時間は、なるべくお父さんお母さんも一緒に面倒を見るようにしてあげて下さい。
    家族間の会話でも、何気ない感じで最近のモルモットの様子などを聞いてケガや病気の兆候が無いか聞いてあげて下さい。
    子供は怒られると思ってモルちゃんのケガや病気を隠してしまうかも知れません。
    一日一回は、自分の目でモルちゃんの様子を見て異常が無いか確認してあげるようにして下さい。
  • 驚かせない!
    部屋んぽ中でもケージの中でもどこにいても同じですがなるべく驚かせないであげて下さい。
    ビックリして急いで逃げるor固まるのがモルモットです。
    その場で固まってくれればまだ怪我の心配をしなくて済みますがダッシュで何処かに逃げていくときは怪我をする可能性があります。
    急な方向転換・急なダッシュ・走っている最中の急停止などで脚に負担が掛かり怪我をしてしまう可能性があります。
    床の材質にもよりますがカーペットなどの場合は、急な動きをした時に爪が引っ掛かってしまう事もあります。

参考にさせて頂いたサイト

  • Petsoid
    https://petsoid.com/
  • thesprucepets
    https://www.thesprucepets.com/
  • Petcoach
    https://www.petcoach.co/
  • RVC
    https://www.rvc.ac.uk/