モルモットの避妊・去勢

akago

避妊・去勢をする意味は?【メリット・デメリット】

避妊去勢と書いていますがここでは、基本的に去勢の事しか書きません。
モルモットの避妊手術は去勢と比べてモルモットの体に掛かる負担が大きく、多くの動物病院では「モルモットの去勢はするけど避妊は実際に病気にならないとリスクの方が大きい」と判断して基本的には受け付けていない事が多いです。
そんな訳で去勢の事についてしか書きません。

モルモットの去勢手術のメリット

去勢をする一番の目的は意図しない繁殖を防ぐ為が最も多いと思います。
オス・メスのペアでモルモットを飼育している場合は、ちょっと目を離したタイミングでも交尾して増えてしまいます。
特に繁殖を目的としていない場合で、オス・メスのペアで飼育している場合は去勢手術は必須と言っても過言ではありません。
※大前提として繁殖をさせたくなければオス・メスのペアで飼育するのが間違いですが....
その他の去勢をする事のメリットとしては
・臭腺からの匂いが若干軽減される(極僅かなので人間からすると変化を感じれないかも知れません)
・お尻のあたりが汚れる頻度が少し落ち着く
・病気の予防
などがありますが正直ここら辺が気になるから「去勢手術をお願いしよう!」という方は極々少数だと思います、一番のメリットは意図しない繁殖を防ぐことだと思います。
去勢をすると「性格が大人しくなる」「喧嘩をしなくなる」「攻撃性が減る」「縄張り意識が軽減される」「マウティングが無くなる」と勘違いされている方も多いかと思いますが、モルモットに去勢手術をしてもこれらの事にあまり変化はありません。

モルモットの去勢手術デメリット

デメリットは少ないですが、手術中の麻酔で亡くな事があるというのが最も大きなデメリットになると思います。
麻酔無しで手術をするのを不可能なのでこのリスクは避けて通れない物になってきます。
勿論ですが、獣医さんはしっかりと麻酔量を今のモルモットの体重に合わせて調整してくれますが、細心の注意を払っていても亡くなってしまう可能性を0には出来ません。
事前に麻酔に対するリスクは獣医さん側からしっかりとした説明があるはずですのでしっかりと聞いて納得してから手術をお願いするようにして下さい。
※生涯単独飼育をすると決めている場合は、無理に麻酔のリスクを負う必要も無いので去勢はしなくてもいいと思います。
デメリットになるかどうかは微妙な所ですが、玉を取ってしまうので当たり前のことですが去勢手術をしたら繁殖は出来なくなります。

去勢手術に掛かる費用

管理人宅の場合ですが一泊二日の入院費込みで約25,000円でした。
ですが動物病院は自由診療なので病院ごとに価格は変わってきます。
基本的に保険なども去勢の場合は対象外である事が多く全て飼い主さん負担になります。
(病気などが原因で取る場合は保険適用になる事が多いです。)
モルモットの去勢手術をしてくれる病院自体数が少ないので何とも言えないのですが、今現在管理人がお世話になっている病院は今までの病院よりも比較的安い料金で治療をしてくれるので平均的に見れば恐らく4~6万円でモルモットの去勢手術をしてくれる所が多いかと思います。
もちろん病院ごとに事前にする検査や入院の有無なども変わってきますので「ここは〇〇病院と違って料金が高すぎるボッタクリだ!」と勘違いしないようにお願いします。

去勢の方法は?

モルモットの去勢手術には、大きく分けて2つ方法があります。
獣医さんの判断によって2つの内どちらかを選び手術する事になると思いますが、どちらの術式を選択するにしろしっかりとした説明をしてくれるはずですので飼い主さんはしっかりと聞いて納得したうえで手術をしてもらうようにしましょう。

手術の方法は2つあると書きましたが、とっても簡単に違いを書くと玉を切るか腹を切るかの違いです。
詳しく手術内容を書いても正直飼い主がどうこう出来るもんでもないので割愛します。
一番下に動画で実際に手術をしている物があったので貼っていますので興味のある方をそちらをご覧ください。
全てが移っている動画は、腹部正中線切開法のパターンにです。
陰嚢切開法の方は、術前から一気に術後まで飛びますが、縫合箇所などは確認できます。

2つの術式がありますが予後の経過が良好に傾きやすいのは腹を切る方とされています。
玉を切る方はどうしても腹を切る物と比べると、傷口が常に床に触れている為に汚れやすいです。
そして魔のポケットにも玉を切る方が傷口が近く化膿しやすいとされています。
そしてストロングスタイルのモルちゃんの場合、腹を切る場合と比べて玉を切る時の傷口は口が届きやすく縫合糸を自分でとってしまう可能性が高いです。
また傷跡も腹を切る場合は1ヶ所ですが、玉を切る場合2ヶ所切る必要があります。

何ヶ月から去勢できる?

一般的に4ヶ月から半年を過ぎればモルモットは去勢手術をすることが出来ます。
健康診断のついでに獣医さんに、去勢手術をしたい事を伝えて今現在去勢手術が出来るかどうか聞いてみるのが確実です。
逆に何歳までにした方がいいのかというと、2歳半を過ぎると麻酔のリスクを考えて控えるようにした方がいいと考える獣医さんもいます。
ですがこれは獣医さんによって考え方が違うので4~5歳くらいまでなら去勢をする獣医さんもいます。
それ以上の年齢になってくると、基本的に麻酔のリスクが大きくなり病気等の理由が無ければ手術を控えた方がいいと判断される事が多いです。

玉が出入りする!【鼠径輪】

モルちゃんはとても面白い体をしていて玉が袋と体の中を行ったり来たり出来ます。
その為去勢手術をする時は、その出入り口である鼠径輪という所をしっかり塞いでおく必要があります。
エキゾ専門やモルモットに強い獣医さんからすると当たり前の事かもしれませんが、これを塞いでおかないと鼠径ヘルニアのリスクが跳ね上がります。
手術前にここら辺の説明もしっかりとしてくれると思いますが、普段犬猫専門の獣医さんは閉鎖去勢をしない場合があるので普段モルモットを診ない先生にお願いする時は、大丈夫だと思いますが一応ここら辺の事(鼠径輪を塞ぐかどうか)を聞いてみてもいいかもしれません。

術後のケア

※体重を計れるようならば毎日計測してしっかりと食べれているかの確認をして下さい。
 ウンチ・オシッコをちゃんとしているかどうか健康なウンチ・オシッコかを確認してあげて下さい

  • 獣医さんから処方された薬は忘れず与える。
    飲み薬を渡されると思いますので「1日何回か」「1回の量はどのくらいか」をしっかりと聞いて聞いた通りに与えるようにして下さい。
    シリンジも一緒に貰えると思いますが余裕があれば予備で余分に1本シリンジを貰っておく事をお勧めします。
    始めて飲み薬を使う場合は、獣医さんに与え方をしっかりと聞いておくようにしましょう。
    ※しょっぱなからシリンジにかぶりつく猛者もいますがそうもいかない事も多々あります。
     そんな時は最初は薬では無くリンゴジュースなど美味しい物をシリンジから与えて【シリンジ=美味しい物が出てくる】と覚えさせてから薬をあげると喜んで飲んでくれます。
     薬を飲んだ後ムッ...という顔をする事がありますが、間髪入れずにもう一度美味しい物をあげればそんな事は忘れてシリンジに食いつくはずです。
  • 傷口を確認する
    可能であれば傷口を見て確認してあげて下さい。
    暴れるモルちゃんを押さえつけて無理に傷口を見ようとするのはやめてあげて下さい。
    傷口を見れる場合は、汚れていないか・縫合糸が外れていないか・血は出て無いか・化膿していないかなど見てあげるようにして下さい。
  • 術後3~4週間はメスと隔離する
    「去勢手術したから思いっきり触れ合っておいで!」としてあげたいですがNGです。
    去勢手術をした直後は体内にまだ精子が残っている可能性があるので少しの間メスとは隔離して生活して下さい。
    繁殖を防止する目的で去勢をしたのに繁殖してしまっては意味がありませんので、この期間はしっかりと管理するようにして下さい。
  • ご飯を食べているかのチェック
    ペレット・チモシーを毎日しっかり食べているかどうかを確認してあげて下さい。
    術後1日くらいは普段とは違う感覚であまり食欲が無いというのはよくありますが、2~3日経っても全く食べ無いのは結構危ないので獣医さんに行き様子を診て貰う様にして下さい。
  • ペットヒーターなどを使って暖かい場所を確保する
    弱った体で寒い所にいたらそりゃ治るもんも治りません。
    小屋の中にヒーターを入れてあげて、ケージ内で自分で温度調節できるようにしてあげて下さい。
  • 床材は綺麗に
    玉の方を切っている(陰嚢切開法)の場合は特にですが床は綺麗な状態にしてあげて下さい。
    ついでに普段おがくずなど皮膚を刺激するような床材を使用している場合は、フリースなど柔らかい床材に変更してあげて下さい。
    いきなり床材が変わるとストレスになるので手術予定の1週間前位から柔らかい床材にして慣れておいてもらいましょう。

経過観察の為に獣医さんに行きましょう

糸も自分でとって元気いっぱいブリブリで走り回ってるから獣医さんにはいかなくていいかな...
と思うのは間違いです。
恐らく多くの場合は「2週間後くらいにまた様子を診せに来て下さい。」と言われると思います。
飼い主の判断でもう大丈夫と思っても、実はモルちゃんが必死に弱い所を隠している可能性もあるので専門家である獣医さんに術後の経過をしっかりと診て貰う様にしましょう。

参考にさせて頂いたサイト

  • https://www.petmania.ie/
  • https://petopedia.petscorner.co.uk/
  • https://www.theguineapigforum.co.uk/
  • https://www.vetlexicon.com/
  • https://www.ncbi.nlm.nih.gov/
  • https://woodgreen.org.uk/

実際の手術映像がありました

片方は手術中の映像は無く術後に飛びますが、モルモットのこういった映像自体貴重なので「こんな感じで手術するんだ」といった気持ちで見てみると為になるかもしれません。
もう片方は思いっきり手術中の映像が流れるので「大量の血が噴き出る!」何て事は無いですがこういった映像に抵抗がある方もいるとは思います、ですが実際の手術中の映像が見れるのは滅多に無いので無理のない範範囲で見る事をお勧めします。
この映像を見ると、普段からこんな細かい繊細な作業をして動物を治療している獣医さんには本当に感謝しかありません。

※管理人は、現在獣医師でも無ければ動物看護士でもありません一般人です。
このサイトは基本的に、色々と調べた結果と実際に去勢手術をしてくれた獣医さんに聞いた事と管理人が実際に体験した事を書いています。
もっと詳しく知りたいと思う方は掛かりつけの獣医さんに聞く事をお勧めします。