モルモットの流動食(強制給餌用)ご飯の作り方

何じゃこりゃ?

モルモットの流動食(強制給餌)はどんな時に必要か

色々な病気で強制給餌が必要になる事はありますが、恐らく圧倒的に多いのが不正咬合で上手く食べられなくなっての強制給餌です。
一度不正咬合になると根治はとても難しく、長期間の強制給餌(発症してから最期まで)が必要になる事もあります。
また手術後など普段とは全く違う状況に置かれた場合でも、ご飯を食べてくれなくなることがあります。
術後などの場合は、基本的に少し様子を見れば徐々に食べ始めてくれますが、いつまでたってもご飯を食べる様子が無い時は、強制給餌をしてあげる必要があります。

モルモットは、常に牧草をやペレットなど食べ物を食べている事が当たり前の動物です。
いつでも沢山食べて腸内細菌のバランスを保ち歯を整えています。
仮に何かしらの理由で、絶食なり食べれない時間があるとこのバランスは、簡単に崩れてしまいます。
1~2日何も食べていない状況が続くのは、非常に危険ですのでそういった場合も、モルモットに強制給餌でご飯を食べて貰う事が必要になります。

物を食べない原因をしっかりと判明させることは、勿論大事な事です。
ですがそれよりも死んでしまっては意味が無いので「気が付いたらご飯を全く食べてないけど、素人判断で強制給餌はしない方がいいかな...」と考えず
食べていない状況が見受けられる場合は、取り合えず強制給餌でお腹にご飯を入れて、その場を繋げて一刻も早く動物病院に行き原因をはっきりとさせてあげて下さい。

流動食(強制給餌用餌)の作り方

市販品と自作品共に水を入れて混ぜたら大体1~2分待って、しっかりと水を吸った状態で硬さを確認してからシリンジで吸って与えるようにしましょう。
硬さの目安は、解りにくくて申し訳ないのですがヨーグルトをグリグリグリグリっと混ぜた後くらいの硬さです....
生クリームで言うと6~7分立てくらいの硬さです...
ですがこの硬さは、あくまで目安として初めの頃にこの硬さで強制給餌をして頂き、その後は食べ具合などを見ながら水の量を調整して頂くようにお願い致します。

市販品の場合

市販品のメリットは、簡単に手間なく作れることです。
逆にデメリットは、長期間になると特にですが、自作と比べるとべらぼうに費用が掛かる事です。

管理人宅で使用した事があるのは、OXBOWの方でしたが価格で言うとイースターの方が抜群に安いです。
ですが長期間強制給餌が必要になる場合は、仮にイースターを使っていたとしても出費は馬鹿にならないので自作をする方がおススメです。
逆に短期間の強制給餌で復活して自分から食べることが出来るようになる場合であれば、市販品の方がおススメです。
自作の物と比べるとしっかり細かく砕かれており、与える際にシリンジの中で詰まる事はほぼありません。
OXBOWの方は香りも甘く美味しそうな匂いがして食いつきも初回から抜群に良かったので、強制給餌に慣れていない子の初強制給餌に使用して強制給餌に慣れて貰う為に使うのもアリだと思います。
イースターの方は本来ウサギ用なのでビタミンCの量が心配ですが、恐らく初回は動物病院での処方だと思うのでもしビタミンCが別に必要であれば獣医師の方から説明があると思うのでよく聞いて、ビタミンCを追加で入れてあげるようにして下さい。

楽天の方が安いです。(2023/6/18調べ)
¥5,000 (2023/06/18 17:11時点 | Amazon調べ)
イースター
¥1,690 (2023/06/18 17:14時点 | Amazon調べ)

自作の場合(ペレットを砕く場合)

自作のメリットは、圧倒的コスパの良さです。
逆にデメリットは、とにかく手間が掛かる、そして手を抜くと使い物にならない物が出来上がる事です。

自作の場合ペレットをミルなどを使用して粉状にして水に溶かす事になります。
この時に使用するペレットは、必ずソフトタイプの物を使用するようにして下さい。
ハードタイプは、長時間ミルにかけても上手く砕かれず、高確率でシリンジの先で詰まります。
ミルは手動の物でも大丈夫ですが、毎日作ると時間もかかり疲れるので電動の物を使用するのがおススメです。

市販品と比べると食いつきがあまり良くない場合があります。
その場合は水で溶かす時に少しリンゴジュースなどを入れてあげるのがおススメです。
また、ミルで砕くときにドライフルーツなどを入れて一緒に粉にすると香りが良くなり食いつきも良くなります。

市販品と比べると栄養が無いんじゃないか?
と思うかも知れませんが管理人宅のモルは、強制給餌が必要になってから自作の給餌で2年近く頑張ってくれたので大きな問題はないと思います。

※経験上パイナップルだけは、一緒に入れて粉にしてはいけません。
 パイナップルを入れると砕いている最中にダマになったりミルの壁面にへばりついたりして、掃除がとてもめんどくさいです。
 ミルの刃や臼にもくっ付いてしまい上手く砕け無くなったりこれまた掃除が面倒です。
 とにかくパイナップルは入れない方が良いです。
※他の物と比べると後処理が面倒になる物は、糖分が多いの気がするのでそれが原因かもしれません。

ジェックス
¥1,027 (2023/06/25 17:05時点 | Amazon調べ)

シリンジの加工

強制給餌をするために必ず必要な物は、強制給餌用のご飯とシリンジです。
普通に生きているとあまり耳にしないので「シリンジとは何ぞや?」となるかもしれませんが、要は注射器の持ち手の所です。
モルモットの強制給餌で使用するシリンジは、小さく細い物を使用します。
「大きい方が一度に沢山食べれるからいいのでは?」と思うかも知れませんがモルモットの口は思いのほか小さいです。
容量の大きいシリンジは、容量が大きい分全体に太くなっています。
ただでさえ強制給餌が必要な状態の子に大きく口を開けて貰うのは酷なので、なるべく細い物を使用するようにして下さい。

シリンジもそのまま使うと先が細すぎるので詰まってしまう事があるので、先端はニッパーなどを使い切って使用するのがおススメです。
先端を切って使用する時は、火で炙って丸くして口の中を傷つけないように加工してあげてから使用して下さい。
先端の加工をした場合は、必ず確認する事が1つあります。
シリンジを押した時に先っぽのゴムが先端から出ない事!を必ず確認して下さい。
ゴムが出てしまう場合は、再度火で炙り形を整えてゴムが出ないようにしてあげて下さい。
ゴムが出ている状態で使うと、最悪の場合モルモットの口の中にゴムが入り込み誤飲してしまいます。
ゴムが外れる時は、案外簡単にポロっと外れるので必ずゴムが先端から出ない事を確認してから使用するようにして下さい。

シリンジ

画像の赤線あたりで切ります。
ハサミなどで切ろうとすると、切った部分が何処かに吹っ飛んだりします。
おまけに一度で切れない分、切り口も荒れやすくなるのでハサミではなく、ニッパーなどを使う事をお勧めします。
ゴムの部分(ガスケット)を切らないよう引いた状態or抜いた状態で作業する事をお勧めします。
先端をカットしてあると多少濃いめに作っても詰まらずしっかり出て来てくれるので便利です。

テルモ
¥1,779 (2023/06/27 16:34時点 | Amazon調べ)

ここからは体験談ですが、シリンジを使用していると大体2日~3日でゴムが固くなり動かしにくくなります。
ですので購入する時は、なるべく多くまとめて買っておいた方がすぐに交換できるのでおススメです。
ゴムが固い状態で強制給餌をしようとすると、固い分力を込めて押す事になります。
それでご飯がゆっくり出て来てくれればいいですが、大体の場合は一定以上の力が加わると勢いよくモルちゃんの口の中にバヒュっとご飯を叩き込むことになります。
少し動きが固くなってきたなと思ったらどうにかして使うのではなく、早めに交換してあげて下さい。

ゴムが固くなったけれど予備が無い!
そんな時はオリーブオイルを4~5回吸ってみて下さい。
滑りが良くなって再度使用できるようになります。
オリーブオイルを吸った後は、2~3回ご飯を吸って出してをして、しっかりとオリーブオイルを出しきってからモルモットの強制給餌に使用するようにして下さい。
※管理人宅では一応オリーブオイル直後の吸ったり出したりしたご飯は、他と混ざらないように別の容器に出して廃棄していました。
ですがまたすぐにダメになるので、あくまでも替えが届くまでの応急処置です。

シリンジの先端を切った後の処理ですが管理人宅では、熱した後に金属製の耳かきを突っ込んでいました。
丁度切ったシリンジのサイズだったので、その耳かきを突っ込むと一発で綺麗に出来ました。
同じ耳かきをネットで探しましたがいくら探しても販売している所が見当たりませんでした...
ですが要は丁度いいサイズの円柱状の物があれば代用できるので、いけそうなものがあれば試してみても良いかと思います。

強制給餌をする時のコツ

「モルモットの強制給餌」字面からして面倒くさくて難しそうに思えますが、慣れてくるまでは確かに難しいですが、慣れれば簡単です。
この慣れればというのは飼い主の事は勿論ですが、一番大事なのはモルモット自身が強制給餌に慣れてくれる事です。
病気になってから強制給餌を始めて開始するという場合が多いかと思いますが、出来れば普段の生活でも少しずつシリンジに慣れて貰っておくとモルモット側も強制給餌を受け入れやすくなります。
普段の生活ではリンゴジュースなどをシリンジに入れてモル達に与えるような感じで「シリンジ=美味しい物が出てくる魔法の筒」と認識してもらうのが大事です。

強制給餌を開始するという時や強制給餌が必要になるかもしれないという時は、獣医師の先生にお願いして説明をしてもらいながら実際に目の前で一度やってもらうのがおススメです。
ここで書いてある事を読むよりも専門家が実際にやっている所を見る方がよっぽど為になります。
実際にやってもらっている様子を可能であれば、スマホなどで録画して何度でもプロの技を見返せるようにしておくと「この時どうやるんだっけ?」という事を減らせます。

モルモットの強制給餌をする時のコツは「急がない事」これだと思います。
急いでも良いことは何一つありません。
ご飯を作る時も時間が無いからと適当な水加減で作ると、上手く与えられない粘度の物になったり
モルちゃんに与える時も急いで口に突っ込むのは、怪我の元です。
加えてまだ口の中に残っている状態で次の物を突っ込んだりしても入れた分が全部出て来てしまうので無駄になってしまいます。
とにかく急がず丁寧にやる事が上手くモルモットに強制給餌をするコツです。

その他強制給餌のポイントとしては

  • 最初のうちは一度に与える量を少なめにして徐々に多くしていく
    慣れてくるまではモルモット側も食べるのに時間が掛かるので、1mlンシリンジであれば3割くらいあげて一旦離す位で与え始めて
    離したタイミングですぐシリンジを咥えようとしたりする動作(ご飯を欲しがる動作)をしたら徐々に一度に与える量を増やしていくのがおススメです。
    慣れてくると1mlシリンジを連続で2回くらい与えても平気になります。
  • 案外奥まで入れても大丈夫!
    「どのくらいシリンジを入れてあげればいいんだろう?」というのは強制給餌をした人全員が最初に直面する問題です。
    管理人宅では、1mlシリンジのメモリで言うと0.3~0.45くらいまで入れていました。
    先端のカット具合によって変わってきますが、大体の目安にしてみて下さい。
  • 真正面からはNG!
    強制給餌用のシリンジは真正面から入れると前歯に当たって上手く食べれません。
    おまけに前歯分余計に口を開くので顎によろしくありませんし、勢いよく突っ込むと横から入れる場合よりも怪我のリスクが高いです。
    ですので口の横からグニっと入れてあげるようにして下さい。
    強制給餌に慣れてきて自分からシリンジを咥えるような場合は真正面からでもしっかり入って食べれていればOKです。
  • ご飯は水を入れて混ぜたら少し待つ
    特に自作でやる場合ですが粉に水を入れて混ぜたら1~2分待ちましょう。
    自作の粉は、思いのほか水を吸います。
    粉と水を混ぜたら少し待って、もう一度硬さを確認してからあげるようにしましょう。
    急いで混ぜてすぐに与え始めると途中で水を吸って硬さが変わってしまうので
    強制給餌を一旦中断して水を足したり粉を追加したりと飼い主もモルも余計なストレスが溜まってしまいます。