モルモットのビタミンC欠乏症

ビタミンC欠乏症はどんな病気?

モルモットのビタミンC欠乏症とは読んで字のごとくビタミンCが足りなくなった事で起こる病気です。
ビタミンCはコラーゲンに関係するのでビタミンCが足りなくなると皮膚や血管・骨・関節に異常があらわれます。
あまり聞き馴染みのない病気かも知れませんが人間の「壊血病」と同じだと考えればOKです。
モルモット専用のフードならば基本的にビタミンCが添加されていますがウサギ・ハムスター用のフードには添加されていない場合が多いのでフードは必ずモルモット専用の物を与えるようにして下さい。
モルモット用フードでも保存状態や保存期間によっては中のビタミンCがダメになっている事があるのでしっかりとチャックを閉めてパッケージに保存法が書いてあればそれに従い保存するようにして下さい。
動物の多くは体内でビタミンCを合成する事が出来ますがモルモットは体内でビタミンCを合成できないので体外から摂取する必要があるのでビタミンCを摂取出来ないとこの病気になる事があります。

ビタミンC欠乏症の症状は?

ビタミンC欠乏症には様々な症状が出てきます。
そしてこの病気が引き金となり他の病気を併発してしまう事もある恐ろしい病気です。
下にまとめた症状以外にもビタミンC欠乏症の症状はあるかと思いますが大体の子は下の症状が出てくると思います。
気になるような事があれば早め早めの動物病院での診察をお勧めします。
病院に行って「何も異常が無い」と診断されてもがっかりしないで下さい健康が一番大事なんですから!
※下に書いてある事が全く当てはまらない子ももしかしたらいるかもしれませんので病院での定期的な健康診断を受ける事をお勧めします。

  • 肌や被毛に艶が無くなり荒くなる
  • 食欲不振
  • 体重の減少
  • 皮膚のシミや皮下出血
  • 上手く歩けない(ジャンプするように移動する)
  • 抱っこした時に痛くて鳴く
  • 元気が無い
  • 下痢
  • 小さな傷でも血が止まらない・治りが遅い
  • 手足の関節の肥大化・硬化
  • 歯肉からの出血
  • 鼻汁(鼻水の事です)

ビタミンC欠乏症はとにかく体の様々な部位に異常が出てきます。
長期間ビタミンCが不足している状態が続くと骨格や歯の発達に影響を及ぼし骨がもろくなり歯に関する病気を引き起こす可能性があります。
※特に若い個体の場合骨成長に影響するので一生涯に渡り苦しめられてしまいます。
目や鼻から分泌物が出ている場合は特に早急に動物病院に行きましょう!
※肺炎など呼吸器系の病気が発症している疑いが強いです。

ビタミンC欠乏症の治療方法は?

基本的に経口・注射・点滴いずれかでのビタミンCの投与が行われます。
処方される薬はビタミンCのサプリメントと痛みが出ている場合は鎮痛剤が処方される事があります。
早期発見が出来ていればビタミンCの投与だけで比較的早く回復する事が多いですが他の病気を併発してしまっている場合はその病気の治療も始めていく事になります。
獣医さんから処方された薬は獣医さんに言われた与えるタイミングと与える量を必ず守ってください。
人間からすると少しの差かも知れませんが小さなモルちゃんの体にはそのわずかな差が命取りになる事もあります。
必ず決められた量を守って与えるようにして下さい。

診断方法は普段与えているご飯・飼育環境・サプリの与え方などから判断する場合が多いです。
ですがビタミンC欠乏症と診断されていなくても多くの場合モルモットの診療にはビタミンCを含む栄養剤の点滴・注射をする事が多いです。

病院から帰って来てのケア

処方された薬を獣医さんの指示通りに与えるようにしましょう。
帰ってきてから少なくとも1週間ほどはモルちゃんの様子をよく観察して症状が良くなってきているか確認してあげて下さい。
指示通りに薬を与えても一向に回復する兆しが見えない場合は早めに獣医さんに相談して下さい。
今までビタミンCのサプリを与えていない場合はサプリを購入して獣医さんから処方してもらった薬が終わったらすぐに使えるように準備しておく事をおススメします。

ビタミンC欠乏症の原因は?

日頃の食事から摂取できるビタミンCの量が必要量に足りていないとビタミンC欠乏症になってしまいます。
成長期・妊娠中・怪我や病気療養中などの子は通常よりもビタミンCを多く必要とするので特に注意してあげる必要があります。
モルモットフードとして売られている物でも中に入っているビタミンCは時間がたつと分解されてしまいます。
フードの製造から約90日を目安に新しい物と交換してあげるようにして下さい。
普段の食事であげる野菜もビタミンCが多く入っている物を選びながら与えるとビタミンC欠乏症になる確率はかなり低く抑えられます。

稀ですが内臓疾患・先天的遺伝的等の要因でビタミンCを上手く摂取・吸収出来ない事が原因でビタミンC欠乏症になってしまう子もいます。
この場合素人ではもちろん普段犬・猫を主に診察している獣医さんでも原因を特定する事が難しい場合があるので小動物に強い獣医さんに診察してもらい原因を突き止めて治療をしていく必要があります。

ビタミンCが不足している状態が10~15日続くとビタミンC欠乏症が発生する可能性があります。

ビタミンC欠乏症にならない為の対策

モルちゃんが普段食べるご飯は必ずモルモット専用のご飯をあげるようにして下さい。
ウサギ用・ハムスター用の物の中にはビタミンCが添加されていない物がありそういった物をあげ続けているとビタミンC欠乏症の原因になります。
※ビタミンCが入っているからとウサギ用などのモルモット以外の動物用フードを与えるのもNGです。
 モルモット向けの物とは含まれている栄養が違います肥満の原因やその他の病気を引き起こしてしまう可能性があるのでモルモット専用のご飯を与えるようにして下さい。

サプリを積極的に使うようにしましょう。
モルモット専用のご飯に含まれているビタミンCで最低限の補給は出来るかもしれませんがビタミンCは非常に脆いです。
開封と同時にフード内に含まれているビタミンCの量は減っていると考えて下さい。
その不足分を補うためにもビタミンCサプリを使いましょう。
ビタミンCは多少であれば摂取しすぎても尿と一緒に排出されるので「今日間違ってサプリ2回あげちゃった!」となっても大丈夫です。

普段から生の野菜をあげる。
モルちゃんも喜ぶし食べている姿を見ている飼い主も喜ぶついでにビタミンCを補給できる。一石三鳥ですね!
野菜に含まれているビタミンCは収穫から約10日で半減するらしいのでなるべく新鮮な物を与えるようにして下さい。
喜ぶからとついついあげすぎてしまいがちですが1日10gを目安に与えるようにして下さい。
 下にほんの少しですが野菜に入っているビタミンCを調べたので書いておきます。
 ついでにモル飼いは気になるカルシウムの量も一緒に載せておきます。

野菜100gあたりのビタミンC100g当たりのカルシウム
ミニトマト32㎎12㎎
キャベツ41㎎43㎎
赤ピーマン※パプリカではありません170㎎7㎎
ブロッコリー120㎎38㎎
トマピー200㎎8㎎
ニンジン6㎎28㎎
チンゲンサイ24㎎100㎎
文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)  第2章より抜粋
https://www.mext.go.jp/index.htm


※海外で一日に150㎎/㎏のビタミンCを8か月間モルモットに与える実験をした所他のグループのモルモットと比べて関節炎になる確率が高くなるという事が確認されています。
※多量のビタミンCを長期間与え続けた結果感受性が低下し1日10~30㎎のビタミンCを摂取していてもビタミンC欠乏症と同じような症状を引き起こしたという報告もあります。
 通常余分なビタミンCは尿と一緒に体外に排出されるので長期間多量に与えない限りは間違えて少し多くあげてしまっても大丈夫です。

参考にさせて頂いたサイト

  • https://www.veterinarypracticenews.com/
  • https://www.burgesspetcare.com/
  • https://www.petplace.com/
  • https://www.everythingguineapig.com/
  • https://www.google.com/?hl=ja
  • https://www-crownvets-co-uk.translate.goog/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=nui,sc
  • https://vethelpdirect.com/
  • https://azeah.com/
  • https://www.petmd.com/