モルモットの結石(尿石症)
※尿路結石・腎結石・尿管結石・スラッジなどなど色々まとめて結石という名前で紹介しています。
カリフォルニア大学デービス校のホーキンス博士の研究で
定期的にピーマンを与えたモルモットの結石の発生率が低かったと報告されています。
※何故発生率が下がったかは分からないらしいですが結果は結果!ピーマンを食べさせましょう!
結石はどんな病気?
腎臓・尿管・膀胱などに結石が出来てしまう病気です。
人間でも結石が出来る事がありますが似たようなものです。
※ただしモルモットの結石は基本的に手術で取り除くしか方法はありません。
主にモルモットの結石は炭酸カルシウムで出来ているので薬や食生活を見直したところで一度で来てしまった物が溶ける事はありません。
普段食べさせている野菜などでカルシウムやシュウ酸が多いと結石が出来やすいと言われています。
結石が出来ている状態で放置していると結石が詰まり尿毒症・膀胱炎・腎炎など他の病気が併発されるので早め早めの処置が必要です。
また一度結石が出来ると手術で取り除いたとしても再発してしまう可能性が高いので注意が必要です。
結石が出来る明確な原因はまだ分かっていないので出来る限りの予防をしておいて損は無いです。
結石の原因として考えられているのはストレス・普段の食事・水分不足・遺伝・感染症などが候補に挙がっています。
モルモットは他の動物に比べて結石が出来やすいとされているので日頃の食事など特に注意が必要です。
結石の症状は?
どの病気でもそうですが症状は一つだけではありません。
疑わしい事があれば早めに病院に行き診断してもらうのが良いです。
下にまとめた症状以外にも結石由来の症状はあるかと思いますが大体の子は下の症状が出てくると思います。
病院に行って「何も異常が無い」と診断されてもがっかりしないで下さい健康が一番大事なんですから!
※下に書いてある事が全く当てはまらない子ももしかしたらいるかもしれませんので病院での定期的な健康診断を受ける事をお勧めします。
- 排尿・排便時にキーキー・ピーピーと鳴く
※極稀な例ですがオシッコ・ウンチをする感覚が気持ちよくて排尿・排便時に鳴く子もいます。 - 排尿時にジャンプする
- 血尿
- 食欲不振
- 体重減少
- ウンチ・オシッコの量が減る
- 頻尿
- オシッコをしようとしてもおしっこが出ていない
※緊急性が高い状態です一刻も早く獣医さんに行って下さい
主に排尿・排便時に結石の兆候を見つけて獣医さんに行き結石の診断をされるというパターンが多いです。
ですのでちょっと気が引けるかもしれませんがモルちゃんがおしっこ・ウンチをしているのを見つけたら近づいて様子を見てあげて下さい。
オシッコの場合は出したてホヤホヤの状態の物を確認して血尿では無いかどうか確かめてあげるのもおススメです!
結石の治療方法は?
もし病院に行き「薬でどうにかしましょう」と内科的な治療方法しか提案されない場合は別の病院に行く事をお勧めします。
結石が薬で完治するならばそれで良いですが残念なことにそれは難しいので根本的な解決は外科手術で石を取り除くことが必要です。
※モルちゃんの年齢などの条件によっては手術が難しいor麻酔に耐えられない事があります。
その場合は結石が小さければ結石と麻酔のリスクを比べより安全な方を選び薬での治療というのもありかと思います。
モルちゃんの結石(特にオスの場合)は自然に排出される・無くなる事はかなり稀なので基本的に結石が出来てしまうと手術をして取り除く事になります。
病院に行き症状を伝えるとまずレントゲン撮影をして石があるかどうか確認して石があればそのサイズで手術か様子見かを判断します。
※ほぼ100%手術になると思います。
メスの場合運がいいと石が小さい場合尿と一緒に排出されますが稀な例なので基本手術です。
手術をする際は全身麻酔をしての手術になるのでモルちゃんの体に掛かる負担もそれ相応の物になります。
恐らく手術前に麻酔のリスクなどが書かれた同意書に記入する事になると思います。
弱ってきてから病院に行き手術をするとなるとかなり危険です。
症状を見つけたらすぐにでも病院に行き少しでも元気があるうちに治療をしてもらいましょう!
稀な例で悲しい事ですが何度も何度も再発してしまう事もある病気ですのでモルちゃんが何度も何度も苦しい思いをしてしまうよりはつらい選択になりますが安楽死を選ぶのも一つの方法として頭の片隅に入れておいて下さい。
病院から帰って来てのケア
- 手術後なので当然元気はありませんケージにタオルなどを掛けてあげてなるべく静かに安静にしてあげて下さい。
- 病院でもらった薬を指示通りにしっかりとあげる。
- ご飯を食べてくれない場合は強制給餌をして最低限の栄養は補給できるようにしてあげて下さい。
※術後に強制給餌の方法を病院で聞いておくのがおススメです。 - 手術をしてすぐの状態だと小屋の中でじっとしている事が多いです。
ウンチやオシッコも小屋の中でする事があるので元気が出てきたらお腹やお尻チェックして汚れている場合はをぬるま湯で濡らしたタオルなどで拭いて綺麗にしてあげて下さい。
不衛生な状態が続くとただでさえ弱っている体+お腹に傷口がある状態なので別の病気に罹ってしまう可能性があります。
そう簡単に傷口が開くことは無いと思いますが嫌がって体をよじったりして傷口が開いてしまう可能性もあるのでお腹に糸がある状態(完全に傷が塞がっていない時)は無理に体を拭こうとしない方が良いです。 - お家に帰ってきてからは1日1回体重を計って体重が健康な状態に戻ってきているかチェックする。
※嫌がる場合はストレスになってしまうので無理に体重を計らない方が良いです。 - お腹にまだ糸がある状態で帰ってくることがほとんどですがモルちゃんは何故自分の腹に糸があるのか理解できません。
気になってかじってしまったりして糸を取ってしまう事があります。
出来れば朝昼晩の1日3回糸が取れていないかチェックするようにして下さい。
糸が取れて血が出ている場合は獣医さんで診て貰った方が良いですが特に血が出ていなければ次回抜糸予定の火に獣医さんに行き「〇日の〇時頃に見たら糸が取れてました」と伝えるだけで大丈夫かと思います。
※もし糸が取れてもいきなり内臓がデロンっと出てくることはまず無いので安心して下さい。
「通常の縫合の場合皮膚の内側で一回縫ってから外側の皮膚をもう一度縫っているので外側の糸が取れてもいきなり死にはしないよ!」
と以前管理人がお世話になった獣医さんから教えて頂きました。
結石の原因は?
はっきりとした原因はまだ分かっていません。
ですが恐らくこれが原因だろうという物はいくつかあります。
飲水量の低下・カルシウムやシュウ酸を含む食べ物を日常的に多く摂取する・遺伝・ストレス・運動不足・その他の病気による併発が原因では無いかとされています。
実際になってしまった子は普段からカルシウムが多めの野菜を貰っていたりすることが多いそうです。
原因が後天的な物ならば注意して生活すれば良いのですが遺伝的な要素など先天的に結石が出来やすい子の場合は注意して生活していても防げない場合が多いです...
ブリーダーさんからお迎えをする場合はお迎え前に事前に詳しい説明があると思いますがペットショップでお迎えする場合は詳しい所は恐らくお店の方も知らないので実際に病気になってから発覚する場合が多いです。
獣医さんも決定的に「100%遺伝が原因だ!」とは言い切れないので「恐らく遺伝なんじゃないかな...」といった感じの診断になるのでペットショップに文句を言いに行っても無意味です。
そんな事をするよりも今の子を元気にさせてあげる事に集中して下さい。
結石が出来ないようにする対策
- カリフォルニア大学デービス校のホーキンス博士の研究で定期的にピーマンを与えられたモルモットは膀胱結石の発生率が低いことがわかりました!
ですが何故ピーマンを定期的に食べて結石の発生率が低いかは謎です....
謎だか何だか知りませんが結果は出ています!信じる物は救われるピーマンをあげましょう! - 普段からあまり水を飲まない・飲水量の少ない子には水を飲んでもらうようにします。
通常モルちゃんが飲む水の量は10ml/体重100gだと言われているので最低でも1日100mlくらいは飲んでもらうのが理想です。
ですがモルちゃんの多くは水を飲むのがヘタクソなので水が100ml減っているからと言ってもその全てを飲んでいる訳ではありません。
大体減っている量の1/3くらいがしっかりと飲んでいる量だと考えて下さい。
※実際管理人宅のモルのうち一匹は水を飲むのがドヘタクソなので1日に500mlのペットボトルを空にする事も多々あります。
「どれくらい飲んだかよく分からん!」という時は水を補給した時にボトルに輪ゴムを巻いて水の位置をマーキングしておくとどれくらい減ったか一目で判断できるのでおススメです。
水を飲んでくれない子にはまず↓の用な水の吸収を良くするサプリを水に混ぜて効率よく水分を吸収できるようにしてあげて下さい。
味が付いているのかわかりませんが管理人宅では何故かこれを混ぜてあげると水の飲みが1.5倍くらい良くなるので美味しくなる?のかもしれません。
大体の場合これを混ぜると水を飲んでくれるので解決しますがそれでもまだ水を飲んでくれない場合は給水機を交換してあげるのがおススメです。
ボトルの先に付けるタイプの給水機を使っているのならばお皿タイプの飲み口になっている物に変えてあげると沢山飲んでくれるようになることがあります。
↓お皿タイプの飲み口になっている物はこんな感じのがおススメです。
- 普段あげる野菜の成分を調べてなるべくカルシウムの少ない物をあげるようにしましょう。
お家にあってモルちゃんにもあげる可能性がある野菜の一部だけですが100㎎あたりのカルシウムの量を書いておきますので参考にして頂ければ幸いです。
※モル飼いには気になるビタミンCの量も一緒に書いておきます。
赤く下線が引いてある野菜はカルシウム量が多いので与えすぎには特に注意が必要です。
品名 | 100㎎あたりのカルシウム量 | 100㎎あたりのビタミンC |
---|---|---|
キャベツ | 43㎎ | 41㎎ |
ミニトマト | 12㎎ | 32㎎ |
チンゲンサイ | 100㎎ | 24㎎ |
ヤングコーン | 19㎎ | 9㎎ |
ニンジン | 26㎎ | 6㎎ |
めキャベツ | 37㎎ | 160㎎ |
水菜 | 210㎎ | 55㎎ |
パセリ | 290㎎ | 120㎎ |
小松菜 | 170㎎ | 39㎎ |
白菜 | 43㎎ | 19㎎ |
ブロッコリー | 38㎎ | 120㎎ |
ほうれんそう | 49㎎ | 35㎎ |
なずな | 290㎎ | 110㎎ |
https://www.mext.go.jp/index.htm
- 一つのケージで複数のモルちゃんを飼育している場合ケージ内の頭数分の給水ボトルを用意してあげて下さい。
多頭飼いで一つのケージに入れていると1頭のモルちゃんが給水ボトルを独占してしまうケースがあります。
他の子もしっかりと水を飲めるように給水ボトルは多めに設置しておくのがおススメです。 - 部屋んぽを沢山させてあげてください!
運動不足だと飲水量も減りがちでおしっこの量も減ってしまいます。
最低でも1日1回は部屋んぽをさせてあげてしっかり運動をさせてあげて下さい。
運動をすると膀胱内で結石の原因になる結晶が動き運動をしない子よりも排泄されやすくなります。
※動かないからといって追いかけるのはNGです。 - 床材は常に綺麗にしてあげて感染症を予防してあげてください。
モルちゃんはウンチやおっしこの上でも平気で寝ます。
常にウンチ・オシッコ何も無い床というのはほぼ不可能レベルで難しいですが出来る限り清潔な床を維持してあげて下さい。 - 遺伝的な要因で結石が出来やすい子はもうなってから気づくしか方法は無いと言っても良いです。
病気が発覚してからにはなりますが出来る限りの再発防止をしてあげて下さい。
参考にさせて頂いたサイト
- https://mypetguineapig.com/
- https://a-z-animals.com/
- https://www.theguineapigvet.co.uk/
- https://www.google.com/?hl=ja
- https://azeah.com/
- https://www.thesprucepets.com/
- https://lbah.com/