モルモット同士の喧嘩

スイスが代表的に語られますが他のEU加盟国の一部でもモルモットの単独飼育を法律で禁止しています。
モルモットは多頭飼育をしなければならない動物なので皆仲良く喧嘩をしないのかと言われると違います。
バチバチの喧嘩をする事もあります。
命のやり取りまで行く例はあまり無いと思いますが噛みついて・取っ組み合っての喧嘩は十分に考えられます。
今回は喧嘩の原因・喧嘩の止め方をご紹介します。

喧嘩の段階

人間の喧嘩でもすれ違っただけでいきなり殴りかかってボコボコにするというのはあまり無いです。
まず口であーだこーだ言い合って胸ぐらをつかんで...
と段階があるようにモルモットの喧嘩でもいきなり噛みつくというのは余り見受けられません。
という事で管理人の独断と偏見により喧嘩の段階をレベル分けしてみました。

喧嘩レベル1

喧嘩レベル1はまだ様子見で済む段階です。
人間で言えば目が合ったといちゃもんを付けられた程度の小競り合いです。
通常そこまでレベル1の状態が続くことは無いです割とあっさり解散します。
レベル1の段階でも長時間にらみ合いが続くと一気にレベル3まで飛ぶことがあるのでちょっと長いなと感じたら水入りで解散してもらいましょう。

喧嘩レベル1の動作

  • グルグルと低い声で鳴く
  • お尻の匂いを嗅いで追いかけ回す
  • お尻を左右に振っている
  • どちらかの上に乗っかるor乗っかろうとしている

喧嘩レベル2

喧嘩レベル2はまだ警告の範囲内で危害を加えるのが目的では無いですが早い内にモルちゃんを引き離した方が良いです。
人間で言うと胸ぐらをつかみもうチューしちゃうんじゃない?という位の顔の距離で罵倒している状態です。
レベル2まで来ると高確率でレベル3に移行します。
レベル3に行く前に人間が間に入り引き離してあげて下さい。

喧嘩レベル2の動作

  • 鼻の高さを競い合う
  • 歯をカツカツとならし始める
  • 歯を見せるよう口を開ける
  • 毛を逆立てる
  • 荒い呼吸(プシュッとクシャミに似たような感じです)

喧嘩レベル3

喧嘩レベル3まで行くと一刻も早く引き離さなければなりません。
人間で言うと殴る蹴るぶん投げるとにかく相手を傷つけている状態です。
ここまで来ると無理に引き離そうとするとモルちゃんが怪我をする事もあるので飼い主は落ち着いて冷静に行動して下さい。

喧嘩レベル3の動作

  • 噛みつく
  • 取っ組み合いを始める
  • 激しく動き回り大きな鳴き声を上げる
  • 腰を落とし顔を突き合わせる
  • 大きく毛を逆立てる

喧嘩の止め方

喧嘩を止める際の注意点があります。
※飼い主・モルちゃんが怪我をしないように注意する※
※力ずくで止めない※
※必ず一度落ち着いてから冷静になって止める※

上記3点を忘れないようにして喧嘩の仲裁をして下さい。
(これから紹介するのは喧嘩の止め方は管理人の実体験も含まれていますので参考にして下さい)

レベル2・3のけんかの止め方でフリースを使う方法を紹介していますがフリースをかぶせる際はフリースの真ん中に山を作ってモルちゃん達の間にフリースの壁が出来るようにして使用して下さい。
フリースの壁が無いとモルちゃん達の距離が近づいてしまい喧嘩がエスカレートする可能性があります。
分かりにくいかも知れませんが画像で説明するとこんな感じです↓

レベル1の場合

モルちゃんがにらみ合っていなければ先を歩いているモルちゃんのお尻をチョイチョイと押してあげればスタコラサッサと走り去っていってくれます。
にらみ合っている場合はモルちゃん達の間に下敷きなどを入れてお互いが見えないようにしてあげれば少ししたら解散します。
レベル1の場合は比較的簡単に喧嘩を止めることが出来ます。
中々その場を動こうとしない場合はどちらかを抱っこしてあげればそれでおしまいです。

レベル2の場合

ほとんどの場合レベル1と同じやり方で仲裁できます。
モルちゃん同士の距離が近かったり全く動こうとしない場合はタオルなど柔らかく軽い物をモルちゃん達に覆いかぶせると「喧嘩している場合じゃない!」と判断してタオルから脱出する方に意識を向けるので結果として喧嘩を止める事が出来ます。

管理人が部屋んぽをさせていると普段聞こえない歯をカツカツ鳴らす音がして様子を見に行くと今にも喧嘩が始まりそうな空気を漂わせる2頭を発見した事があります。
取り合えずいつでも仲裁が出来るようにして様子を見て「こりゃやるな」と判断したら即座にフリースを覆いかぶせて引き離しています。
一応この方法でも取っ組み合いの喧嘩は全て防げているので参考にして頂けると幸いです。
取っ組み合いになるかどうかの判断がよく分からん!という方は見つけ次第引き離しても良いと思います。
様子を見ているうちに怪我をしてしまうと様子見の意味が無いので見つけ次第引き離して怪我を防いであげて下さい。
判断の基準は管理人の場合モルちゃんの足運び・目線・鳴き声の具合などを総合的に見て判断しています。

レベル3の場合

すでにモルちゃんのどちらか一方が怪我をしているかもしれませんが慌てず冷静になってから喧嘩の仲裁に入りましょう。
素手でけんかを止めようとすると高確率で怪我をするのでフリーズなどの布地を使って喧嘩を止めましょう。
噛みついている状態を見つけて慌てて無理に引き離すと噛まれている側の怪我が酷くなる可能性+噛んでいる方の歯・顎が怪我をしてしまう可能性があります必ず一呼吸おいて冷静に対処して下さい。

仲裁をする方法は厚手のフリースをモル達に覆いかぶせてあげるのが最も怪我をする確率が低いと思います。
フリースをかぶせたらフリースの上からモル達の位置を確認しお互いに少し距離が開いたら引き離します。
大体の場合喧嘩をしていても視界が遮られたら喧嘩をやめ視界を確保しようと行動するのでその隙に引き離して喧嘩を止めます。

布地をかぶしても止まらない!という場合は手をフリースなどの布で保護してモルちゃん達の間に手を入れましょう後はタイミングを見て引き離します。
噛みついているからと無理やり引き離すのは避けた方が良いです。
案外モルちゃんの毛皮がしっかりと機能しているので皮膚まで歯が達している事は少なかったりします。
焦って無理やり引き離したことで怪我をしてしまう事もあるので飼い主は常に冷静でいる事を心がけて下さい。

ただし明らかに片方が負けていて血がドバドバ出て歯が思いっきり皮膚に食い込んでいる等の場合はなるべく傷口が広がらないように気を付けて多少無理やりにでも早く引き離して傷口の様子を見て急いで動物病院に行きましょう。
負けている方は恐らくそのまま攻撃を受け続けてしまいます新しい怪我が出来る前に引き離してあげて下さい。

もしも近くに何も仲裁に使える物が無い時は怪我を覚悟で自分の体を使います。
喧嘩をしているモルちゃん達の間に手を入れ次に腕を入れ肩を入れてと徐々にモルちゃん達の距離を離してあげます。
大体は腕まで間に入り込めば喧嘩は止まります。
この方法は最終手段ですモルちゃんが取っ組み合っている状態で手を入れればほぼ確実に噛まれますので覚悟して下さい。
普段はあんなに愛らしく小さなプリティtooth(歯)ですが本気で噛めば人間の皮膚程度は簡単に突き破ります

喧嘩を止める時に使うのはフリースなどの毛羽立ちが少ない物を使ってください。
普通のタオルなど毛羽立ちがある物は喧嘩の最中激しく動くモルちゃんの爪・脚が引っ掛かり余計な怪我をさせてしまう可能性があります。

管理人の同居人の話ですがモルモットの普段は仲が良いオス二匹が突然喧嘩を始めてしまい仲裁しようとして焦ってしまい早く喧嘩を止めようとしてモルちゃん同士の間に手を入れて止めようとして噛まれてしまい縫うほどでは無いですがかなり深い切り傷を負わされてしまいました...
幸いモルちゃん同士に怪我は無かったのですが若干体の小さい方は腰に近い部分の毛が抜けてしまいプチハゲが出来ていました。

喧嘩の原因

モルモットを多頭飼育している時に部屋んぽを同時にしているとどこからともなくグルグルグル・カツカツカツ音が聞こえてくる事があると思います。
「グルグル・カツカツ」この鳴き声が聞こえてきたらすぐに様子を見に行き取っ組み合いの喧嘩になりそうなら即座にモルちゃん達の間に割って入って喧嘩にならないよう事前に対策をして下さい。
自分の家のモルちゃん達がどんなに仲が良くても思いもよらぬ事が原因で喧嘩に発展する場合があります。
部屋んぽで何匹か同時に出すときは常に喧嘩が始まっても止められるよう目を離さないでおく事をおススメします。
喧嘩の原因はモルちゃん達よって色々ありますがよく原因になるのは以下の事柄です。

単純に嫌い

もうどうしようもないです...単純に相手の事が嫌いなだけです。
モルちゃんも生き物なので嫌いな相手がいて当然です。
お互いの仲を取り持つのも人間と違い言葉が通じないのでほぼ不可能に近いです...
時間がたつと解決してくれる場合もありますがあまり期待はしない方が良いです。

飼育スペース

モルちゃんの為によかれて思って飼育スペースを大きくしてあげるとそれが原因で縄張り意識を持つようになることがあります。
縄張りを意識し始めるとお互いに縄張りを持ってしまい喧嘩の原因になってしまいます。
今現在同じ飼育スペースで喧嘩もせず仲良く暮らしているのでしたら無理に手を加えない方が良いかも知れません。

上下関係

元々モルモットは群れで暮らしているので問題ないだろうと勘違いされる方もいるかもしれませんが「皆仲良く平等に美味しい草を分け合おう!」というのは理想でしかありません。
実際は上下関係を作り強い物が幅を利かせるのが野生です。
モルモットも例にもれず上下関係をはっきりとさせたがる事が多いですどうやって決めるかと言ったら力と力のぶつかり合いです。
要は喧嘩をして勝った方が上に負けた方は下になります。
当然下にいる子は上に行きたいので喧嘩を繰り返す事に繋がります。

ストレス

人間もストレスがたまるとイライラしてしまう場合があるかと思います。
モルモットも人間と同じで何かが原因でストレスを感じてイライラしている時に他のモルモットがちょっかいを出してくると喧嘩の火種になります。
何がストレスの原因になっているか突き止めストレスを軽減してあげて下さい。

この他にも喧嘩になる原因はありますが大体は上記の事が原因で喧嘩になります。
モルモットも生き物なので思いもよらない事が原因で喧嘩に発展してしまう事があります。
部屋んぽ中はもちろん同じケージ内で飼育している時もどちらか片方が委縮していないかなどよく観察するようにしてあげて下さい。