モルモットの安楽死
安楽死の是非
ペットの安楽死というと賛否両論色々とあると思いますが、初めに当サイトの考え方として安楽死は、「最後の治療」だと考えています。
実際にモルモットの安楽死を一度獣医さんにもお願いしています。
安楽死に対する考え方は、人それぞれ様々な考え方があってしかるべきだと思います。
人によっては痛みや苦しみは、薬で緩和してあげて最後まで天寿を全うさせてあげるべきだという方もいれば
これから生きて行くにあたり、病気や怪我が原因で一生苦しむor今まで通りの健康な生活が出来ないのであればその子の為に安楽死をしてあげるのが望ましいという考え方もあります。
人それぞれ考え方は違うので、生物の生死に対する考えに「これ!」という明確な答えは、無いものだと考えています。
病気や怪我の後遺症や症状は、原因によって全く違ってきます。
他にも飼い主さんの経済状況やペットに使える時間・お金も違ってきますので、他の人からするとそんな状況で安楽死を選ぶとは「飼い主失格だ!」と思える事もあるかもしれませんが、そう思うのはお門違いです。
実際にその子の事を一番に心配して、苦しんでいる子を一番近くで見ているのは、他の誰でもない実際に飼育している飼い主さんなので飼い主さんのその決定は限りなく正解に近いと言えます。
逆にペットの命を預かる事に対する責任を負うのは飼い主以外は、他に誰もいないという事です。
モルモットの安楽死の選択基準
安楽死を選ぶ基準は人それぞれ変わってくると思います。
ここで書くモルモットの安楽死の選択基準は管理人の場合です。
自分で判断が出来ない場合は、掛かりつけの獣医さんに相談する事をお勧めします。
- 病気や怪我が原因で物を食べたり飲んだりする事が出来ないor口に含む意思が感じられない。
- 部屋んぽ等その子が楽しみにしている事が病気や怪我が原因で満足に出来ない状況。
- 病気や怪我が完治or改善する見込みがなく、これから辛い生活しかないと確定されている場合。
管理人は上記の3点全てを満たしている場合に限り安楽死を選択肢に加えます。
ですがあくまでも選択肢に入るというだけでこの段階では、まだ確実に安楽死を選ぶという訳ではありません。
その子にまだ元気があり「まだまだ生きますよー!」という目をしていれば、管理人は給餌でも掃除でも清拭でも出来る事はやってあげて全力でその子をサポートします。
恐らくモルモットの安楽死を決断した方or長い期間の治療の末天国へと旅立ったモルモットを飼育していた経験のある方は理解してくれると思いますが、今まで「まだまだ生きてやるぜ」という感じの目をしていても長期間の治療でそのうち突然に「もう疲れた...」という目になります。
管理人は、この「もう疲れた...」が安楽死を決定的にする要素です。
※とても伝わりにくい表現でごめんなさい。ですが確実に雰囲気が変わります。
金銭的に治療を続けるのが難しくなりモルモットの安楽死を選ぶという事もあるかと思います。
ですが管理人の場合は、金銭的にいくら苦しくなろうともそこら辺の野草でも虫でも取って食べて出来る限りの節約をして、隙間時間にアルバイトしてでもペット達に必要なお金を捻出する覚悟です。
ですが人によっては「もうこれ以上治療費を払えない...」という場合もあるかと思います、そんな時は「お金が払えないから」という理由ですぐに安楽死を選択するのではなく、恥ずかしがらず一度獣医さんに相談してみて下さい。
案外月賦での治療を了承してくれたりします。
※管理人は一度高額な治療を立て続けに受けた際獣医さん側から月賦でいいよと言われたこともあります。
また獣医さんによっては、安楽死を行わないという治療方針の場合も勿論あり得ます。
それでもこれ以上辛い思いをさせたくないと考えるのであれば、別の病院で診て貰うのもありだと考えます。
モルモットの安楽死で後悔を残さないために
安楽死となると通常のお別れと違い、その子と過ごせる最後の日が明確に決まっています。
その日までに出来る事を沢山してあげましょう。例として⇩
- 物が食べれそうならば好きな物を好きなだけ食べさせてあげる
物が上手く食べれず普段から強制給餌をしている子は、好きなジュースなどをシリンジで飽きるまで飲んでもらいましょう! - 部屋んぽが出来るのであれば好きなだけ駆け回ってもらい普段は入れない所も入れるようにしてあげて楽しんでもらう
- 飼い主に撫でられるのが好きならば禿げ散らかすまで撫でまくる
- 好奇心旺盛な子であれば、キャリーなどしっかりとお出かけ準備をして近場の散歩で色んな景色を見せてあげる
- 写真や動画を撮って思い出を沢山残しておく
少しでも好きな事や好きな物を楽しんでもらい少しでも後悔が残らないようにめいいっぱい楽しんでもらいましょう。
ですがどれだけ好きな事を好きなだけさせてあげても、安楽死という選択が本当に正しい選択だったのだろうか...という気持ちが少なからず残ります。
もしかしたら奇跡的な事が起こって症状が軽くなっていたかもしれない・本当はもう少し生きたかったのかもしれない・決断が速すぎたかもしれない...
色々な後悔が出て来てしまうと思いますが、「このまま無理に治療を続けてもその子が辛い思いをしてしまう」という優しさからの決断だったはずです。
全く動けなくなり苦しい中で眠らせるよりも、静かにゆっくりと眠らせてあげた事を「最後の治療」だったと思う様にすると幾分後悔の念を減らせます。
おまけ
実際に管理人が飼育していたモルモットで安楽死を選んだ時のことを書いておこうと思います。
もしも今ご自宅のモルちゃんが大変つらい思いをして安楽死の事を考え始めた方に何か参考になる事があればと思います。
まず安楽死を選んだ時のモルモットの様子です
- 食欲ほぼ無し
- 自力での飲食が出来ない
- 歩く時もよろよろとしてたまに躓いてこけてしまう
- 一日の大半を小屋の中で過ごし最低限しか出てこない
- 完治の見込みが無い病気である
- 毛づくろいも出来ないので毎日の清拭が必要
- 膿が溜まる事があったので定期的にチェックして確認し溜まっていたら出してあげる
このような感じでした。
ここに至るまで約2年近く闘病生活を送っていました。
それまでは病院での処置を終えて帰ってくると元気が出て部屋んぽブンブンだったのですが、ある時から病院で処置をしてもらっても中々回復せず元気が出るまで数日かかるようになりました。
ですがこの時は「まだ頑張れますよー!」という目をして、実際に強制給餌も食らいついてくるし部屋んぽもトコトコしていたので安楽死ではなく少しでも症状が軽くなるように飼い主も努力していました。
※完治が出来ない病気でしたがこの段階ではまだ、症状を軽くする事は、出来る状態でした。
そして何度か通院していましたがある時、いつものように病院から帰ってくると様子が違う...
その時はまだ「いつもと同じように数日すれば元気が出てくるか」と思っていましたが次の日様子を見てみるとやはりいつもとは違う雰囲気でした。
少し元気づけてやろうと抱っこして撫でてあげようとした時に、モルが明らかに「もう疲れた」という目をしていて強制給餌もあまり乗り気では無く、部屋んぽもあまり出たがらずで、そこから数日間どうした物かと悩んでいましたが悩む時間が増えるばかりでは、この子が辛い思いをするだけだと思い、悲しい決断でしたが安楽死で安らかに眠ってもらう事にしました。
決めてからは即日で獣医さんに連絡をして日取りを決めました。
連絡を後回しにすると辛い時間が増えるだけ+迷いが出てやめてしまうかも知れなかったので思い立ったら即行動をしました。
日取りが決まってからは、今まで量を計りながらあげていたリンゴジュースも野菜ジュースも好きなだけ飲ませてあげ、飼い主の膝の上も数日の間はその子専用の特等席にしてあげました。
写真も無理のない範囲でパシャパシャ撮りまくってやりました。※写真はもっと元気な頃からカメラ小僧も真っ青な勢いで撮っておけば良かったと少し後悔....
寒い季節だったのでキャリーに入れてのお散歩は出来ませんでしたが、仮に暖かい季節であれば近所の公園にでも連れて行っていたと思います。
安楽死の場合は自然死と違い、一緒に過ごせる残りの日数が確実に分かるので少しでも後悔しないように、その子が今まで好きだったことや好きだったものをこれでもかと食べてやらせてあげるのがおススメです。
悲しいかな最後の日が何日かは、分かっているのでお別れをした後の準備も事前にしておきました。
通常お別れの後の掃除などは「あれをしてこれをして...これはこっちに片づけて」とバタバタしてしまう時ですが、あらかじめ準備が出来ていたのでテキパキと進めることが出来ました。
最後にいくつか後悔したこともあったので書いておきます。
後悔した事と書いていますが、安楽死の場合は全体的に心に負うダメージは他の自然死や病死の時よりも軽いと思います。
ダメージが少ない要因としては、出来る限りの事はしている+最後のお別れまでにやりたいことをやらせてあげれている事が大きな理由だと思います。
※この感想は、あくまでも管理人の場合です。
- もっと写真を沢山撮っておけば良かった
通常のお別れでもこの後悔は出てきますが、安楽死を選択する場合は、健康な時にもっと写真や動画を取っておいてあげれば良かったという後悔が大きいです。
いつどんな理由で怪我や病気になるか分からないので常日頃からカメラ小僧を心がけましょう! - もっと好きなだけ食べさせてあげたかった
これは管理人宅の場合ですが、顎の病気になってしまいそれが原因で固形物を食べれない状態が2年近く続いていたのでこうなる前にもっとリンゴやミカンなど好きな物を沢山あげておけば良かったと後悔しました。 - 部屋んぽをもっと沢山させてあげれば良かった
普段から飽きるまで部屋んぽをさせていましたがそれでも飼い主の都合でおもちゃ抜き部屋んぽや短時間部屋んぽの日も多々ありました。
もっと好きなおもちゃを沢山出してあげて思う存分遊ばせてあげれば良かったかなと思います。 - もっと撫でておけば良かった
抱っこやナデナデを健康な時よりも嫌がるようになっていましたがそれでも、もっともっと沢山撫でてあげれば良かったと写真を見るたび思います。
日頃からモルが近づいてきたら嫌がらない限り、永遠と撫で続けていましたがそれでも、もっと抱っこして撫でて頬ずりしてプイプイ言わせたかったと後悔しています。 - もっとできる事があったんじゃないか
治療も出来る限りの事はしたつもりだし、獣医の先生もとても親身になって色々考えて下さったのにこんなことを考えるのはとても失礼な事だと理解していてもどうしても頭の片隅で考えてしまいます。
ですが自然死の時と比べると、この類の後悔は大きいものではありませんでした。
恐らく後悔はすれど「出来る鍵の事はやっていたという」思いもあるからだと思います。