モルモットの真菌症
真菌症はどんな病気?
真菌症は、皮膚の病気です。
人間で言うとこの水虫的な感じでカビが悪さをしているのが真菌症です。
他の子に移る病気ですので、もしお家のモルちゃんが毛が抜けて瘡蓋が出来ていたら、1度獣医さんで診断してもらった方が良いです。
他にもいくつかありますが人獣共通感染症(Zoonosis)といってモル間だけでなく人にも移る可能性がある病気の一つです。
人間以外の他の動物にも移る可能性があるのでお家に他のペットがいる場合は、感染しないように真菌症になった子を隔離する必要があります。
真菌症の子のお世話をした後はしっかりと手を洗い綺麗にしてから他の子のお世話をするように注意して下さい。
真菌症の症状は?
モルモットの真菌症には様々な症状が出てきます。
下にまとめた症状以外にも真菌症の症状はあるかと思いますが大体の子は下の症状が出てくると思います。
真菌症は他の子にも移る病気なので、気になるような事があれば早め早めの動物病院での診察をお勧めします。
真菌症の多くは、頭部(顔の周り)から症状が出てきて全身に広がる傾向があります。
鼻先や目の周辺に脱毛の症状が出ている場合は、早めに獣医さんに行き治療を受けさせてあげて下さい。
病院に行って「何も異常が無い」と診断されてもがっかりしないで下さい健康が一番大事なんですから!
※下に書いてある事が全く当てはまらない子も、もしかしたらいるかもしれませんので病院での定期的な健康診断を受ける事をお勧めします。
- 脱毛
真菌が悪さをして毛が抜けてしまいます。
強いストレスでごっそり毛が抜ける場合もありますがその場合は、「分身でも作ったのかな?」という感じで本当にごっそり抜けます。
真菌の場合もポロっと抜けてくる事がありますが、抜けた痕を見ると明らかに皮膚の状態が通常では無いので区別できます。 - カサブタ
毛が抜けた所を見るとかさぶたのようになっている事があります。
強いストレスなどでごっそり毛が抜けた場合は、抜けた所の皮膚は抜けた直後はかさぶたになっておらず通常の状態と特に変わりない状態です。 - 体を頻繁に掻く
真菌の影響で痒みが出てきているといつも以上に体を掻いています。
不自然なほど体を掻いている場合は一度獣医さんで診て貰った方が良いです。
ダニや虱の方が痒みの症状が強く出てきますがいずれにしても獣医さんに連れて行く必要があります。 - 軽く引っ張るとポロっと毛が抜ける
湿った手でナデナデしていると纏まった毛がポロっと抜けてきます。
特にストレスが掛かっていなくてもポロっと抜けてくるのですぐに異常に気づけます。 - 毛が抜けた部分が赤く斑点状になっている
毛が抜けた部分が炎症を起こして赤みをおびています。
一時的な赤みではなく時間が経っても赤みが引かない場合は注意が必要です。 - 毛が抜けた所がカサついている
治りかけのカサブタを触った時のカサカサ感に似ている触り心地でカサカサしています。 - 飼い主に皮膚糸状菌症の症状が出ている
皮膚のかゆみ・フケ・脱毛・水疱の形成等など気になる場合は早めに皮膚科を受診して下さい。
脱毛や纏まって毛が抜ける症状はビタミンC欠乏症やストレス・内臓疾患などでも出てくる症状です。
毛が抜けた箇所をよく観察してカサブタがあったり赤みをおびている等真菌症の症状がある場合は、真菌症の可能性が高くなってくるので多頭飼いの場合だと獣医さんに連れて行くまでの間も念のため隔離しておいた方が良いです。
真菌症の治療方法は?
真菌症の治療は一般的に、内服薬と症状によって軟膏などで治療していきます。
軟膏などでカサブタの治療をする場合必ず獣医さんに塗り方を良く教わるようにして下さい。
顔の周りに塗る事が多いので目や口鼻の近です、分からない事や不安な事はしっかりと聞いて自宅でもしっかりと塗れるようにしておきましょう。
早ければ数週間で薬の効果が出てきて毛が生えてきます、治療自体は元気な若モルだと通常1~3ヶ月程で治療が完了します。
他の動物やモルちゃんがいる場合は、獣医さんのOKが出るまでは可哀そうですが、隔離して他の子に移らないようにしましょう。
顔周りを頻繁に引っ掻いて傷が出来ている場合は、獣医さんにお願いしてカラーなどを付けて貰ってもいいかもしれません。
真菌の診断は、主に出ている症状から真菌症の可能性が高いと診断して、抗真菌薬の入った塗り薬や内服薬を使い治療します。
正確に真菌症だと判断するには真菌培養してその結果を見てからになるそうです。
ですがモルちゃんを診れる獣医さんは、真菌かそうじゃないかの判断はすぐに出来ると思いますので、恐らく培養の結果を待たずに最初から真菌症向けの治療を開始する事になるかと思います。
病院から帰って来てのケア
真菌症と診断もしくは恐らく真菌症と言われたモルモットのお世話をした後は、いつも以上によく手を洗うようにしましょう。
感染が疑わしい子の飼育用品と他の子の飼育用品もしっかりと別けて扱うようにしましょう。
可能であれば罹患したモルちゃんのお世話をする時は、使い捨ての手袋を使用する事が望ましいです。
他の子に真菌の感染が疑われる症状が出たらすぐに病院へ行き獣医さんに診て貰う様にして下さい。
また飼い主さんや家族の方でも症状が出ていたら皮膚科へ行き、飼育している動物が真菌症と診断されている事を伝えてお医者さんに診て貰いましょう。
病院から帰ってきたら獣医さんの指示に従って薬を忘れずに与えるようにして下さい。
帰ってきてから少なくとも2週間ほどはモルちゃんの様子をよく観察して患部に変化が出てきているか確認してあげて下さい。
指示通りに薬を与えても一向に回復する兆しが見えない場合は、早めに獣医さんに相談して下さい。
木製の物を使用する場合その物の中に真菌が入り込んでしまう可能性があるので、治療中のモルちゃんのお世話は、なるべく木製の物を避ける方が良いです。
木製の物を治療後も使い続けたい場合は、しっかりと消毒をしてから使うようにして下さい。
特に使う予定は無いという場合は、捨ててしまいましょう!
他の動物やモルちゃんがいる場合
病院から帰ってきても隔離飼育は、獣医さんのOKが出るまで続けて下さい。
真菌症のモルちゃんに使っている飼育用品は他の子の物と触れないように注意して扱って下さい。
※隔離によるストレスが強い場合は、獣医さんと相談しながらケージを何かで覆うなどの対策をして菌が極力舞わない状態にして下さい。
菌は結構しぶとく生きています抜け毛などにも菌が付着しています、もしも「真菌症に繰り返しなってしまう!」
という場合は、罹患したモルちゃんが触ったであろう物で捨てることが出来る物は、思い切って捨ててしまい新しい物に変えてしまいましょう!
ですがクッションやソファ・絨毯・カーテンなど捨てる事が出来ない物もあるかと思います、そういった物はしっかりと掃除をして綺麗にしてから消毒をしておくようにして下さい。
消毒には次亜塩素酸系の消毒薬を使用してしっかりと消毒をしておくようにして下さい。
真菌症の原因は?
菌を持っているモルモットの全てが真菌症になるのかというと、そうではありません。
基本的に元気で健康なモルモットが真菌症になる可能性は、低いです。
何らかの原因で免疫機能が低下している(ビタミンC欠乏症など他の病気が原因であることが多いです)場合だったり、モルちゃんがまだ若くカビに対する抵抗力が低い状態だと真菌症になりやすいです。
いい加減な管理をしているペットショップからお迎えしたモルモットが真菌症で、その子から他の子に感染してしまう事もあるので、お迎えする時は必ずどこかにハゲやカサブタが無いかよく確認する事をお勧めします。
他にもケージ内が不衛生で湿度が高い状態が長期間続いたりする場合も真菌症になりやすくなる原因の一つです。
冬場で飼育部屋自体は乾燥していても、モルちゃんのケージに毛布などを掛けている場合は、湿気が籠りやすくなっているので注意が必要です。
夏場も湿度を確認しながら必要があれば除湿器などを使い湿度を調節してあげて下さい。
古くなりカビが出てきているような木製の小屋などを使っている場合も真菌症の原因になるので早めに交換もしくは、徹底的に清掃除菌をするようにして下さい。
特に小屋の中でおしっこをする子の場合は、定期的に小屋の下部と内側の天井をチェックしてカビが出てきていないか確認してあげて下さい。
真菌症にならない為の対策
これをすれば確実にモルモットの真菌症を防げる!という物は、他のほとんどの病気と同じですがありません。
ですが下記に書いてある事に注意すれば真菌症の可能性を減らす事は出来るので参考にしてみて下さい。
- お迎えした子は一定期間隔離する!
新しくお迎えした子の多くは、基本的にまだ若くカビに対する抵抗力が低い個体である場合が多いと思います。
ペットショップでお迎えしたモルモットがすでに真菌症になっている場合もあれば、新しい環境に慣れずストレスなどが原因で真菌症を発症してしまう可能性もあります。
獣医さんでの検診が終わるまでは、触れ合いたい気持ちを一旦封じ込めて我慢しましょう! - ビタミンCをしっかりと摂取させる
ビタミンC欠乏症で免疫機能が低下して結果としてモルモットが真菌症になってしまう場合もあります。
普段食べているペレット以外にもサプリを使いしっかりとビタミンCを摂取してもらう様にしましょう! - ケージは清潔に保つ
ケージが綺麗な分には何も問題はありませんが、不衛生な場合は問題しかありません。
恐ろしいほどのウンチ・オシッコをするモルちゃんですが、それに負けず飼い主はしっかりと掃除をして「モル様」に快適な環境で過ごして頂くようにしましょう!
ケージ内が不衛生だと真菌症以外にも、様々な病気になる可能性が跳ね上がるので出来るだけ綺麗状態を維持できるようにして下さい。
ケージ内の物は定期的に徹底掃除して消毒出来る物は消毒も忘れずに! - ブラッシング
特に長毛種の子になりますが定期的にブラッシングをして抜け毛などを取り除いてあげて下さい。
ブラッシングの最中に皮膚の様子なども一緒に確認するようにして下さい。 - 古い物は順次交換
木製の小屋やフィーダー・かじり木などは時期を決めて定期的に新しい物に変えていくのがおススメです。
長期間使用していると、どうしても汚れたりカビが出てきたりしてしまうのでパッと見て綺麗な物でも定期的に交換するようにして下さい。 - 疑わしきは罰する
ことわざと正反対ですが真菌症の疑いが少しでもあるモルモットは「取り合えず様子見!」ではなく早めに獣医さんに診て貰いましょう。
早めに対処しないと他のペットや人間に移っていしまいます。
参考にさせて頂いたサイト
- https://www.theguineapigvet.co.uk/
- https://aprillodge.co.uk/
- https://vetsonbridge.ca/
- https://www.wormsandgermsblog.com/